イノベーション・オブ・ライフ(クレイトン・M・クリステンセン)
サブタイトル:ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
■もくじ
①対象読者
②本書の要約
③読書メモ
④本書の目次
■①対象読者
・人生の意義を探している人
・自分自身を変えたいと本気で考えている人
・仕事(キャリア)に対してモヤモヤ感を抱えている人
■②本書の要約
本書は、「イノベーションのジレンマ」や「ジョブ理論」などビジネス界に多大な影響を与えてきたクリステンセン教授による「最高の人生を生き抜くため」の講義録をまとめたものです。
この本のおもしろいところは、経営学者の視点で生き方の本質に迫っており、「人生の経営学」を学べるところです。幸せな人生を送るためのマインドセットや人生における罠をどのように避けるのかなど。
特に印象に残ったのは、「わたしたちが知らず知らずのうちに不幸なキャリアや不幸な人生にとらわれるのは、自分を真に動機づけるものを根本的に誤解しているせいであることが多い」ということ。自分を動機付けるものが報酬なのか、やりがいなのか。ちなみに収入を判断基準にキャリアを選んだ場合は、やりたいことがあっても今の収入を手放すことができなくなり、金銭の罠から抜け出せなくなると書いてある。高収入の多くの方はその通りだと思っているのではないか。
もちろん生きていくうえで収入は大事なので否定するものではないが、以下のように自分を動機づけるものがないと行き詰まることは私自身が経験しているので、これから就職活動をする人や今の仕事に違和感を感じている人は本書を手に取って読んでみることをお勧めします。きっと気づきが得られると思います。
・この仕事は自分にとって意味があるだろうか。
・成長する機会を与えてくれるだろうか。
・何か新しいことを学べるだろうか。
・誰かに評価され、何かを成し遂げる機会を与えれくれるだろうか。
・責任を任されるだろうか。
■③読書メモ
・人生の難題には、簡単な解決策などない。
・「何を考えるべきか」ではなく、「どう考えるべきか」
・理論とは「何が、何を、なぜ引き起こすのか」を説明する。人生の難問に答えを出すには「何が、何を、なぜ引き起こすのか」を深く理解することが欠かせない。
・間違った理由から仕事を選び、そのまま妥協する。このような妥協は必ず心をむしばんでいく。
・人生の戦略は時間、能力、労力という資源をどのように配分するかによって決まる。
・戦略は資源が配分されて初めて、実行に移すことができる。
・報酬は動機づけ要因ではなく衛生要因
・「仕事に不満がある」の反対は「仕事に満足している」ではなく、「仕事に不満がない」だ。
・人のためになる仕事をするには、経営者になればいい。
・本当の幸せを見つける秘訣は、自分にとって有意義だと思える機会をつねに求め続けることにある。
・自分を動かすものが何なのかを理解することは、満ち足りた人生へと向かう重要な一歩。
・プロジェクトが失敗する原因は、ほぼ例外なく、予測や決定のもとになった重要な仮定の一つ以上が間違っていることにある。
・自分のキャリアについてまだ考えがまとまらないうちは、人生の窓を開け放しておこう。これという仕事が見つかれば、ピンとくるものだ。
・いましていることをそのまま続けるほうが簡単な気がするが、この考え方は危険だ。問題に向き合うのを先延ばしにしていると、何年も経ったある朝、「わたしはいったい何をしているんだろう?」と思うことになる。
・望み通りの人生を送れるかは、自分の資源をどのように配分するかによって決まる。
・失敗した事業の根本原因を調べると、長期的成功をもたらす取り組みよりも、ただちに満足が得られるような取り組みに飛びつく傾向が繰り返し見られる。
・達成動機の高い人たちは、仕事でこうなりたいと思う自分になることに没頭して、家庭でなりたい自分になることをおろそかにしがちだ。
・人生のなかの家族という領域に資源を投資したほうが、長い目で見ればはるかに大きな見返りが得られることを、いつも肝に銘じなくてはならない。要するに、家族を大事にする。
・この仕事は、わたしが将来立ち向かう必要のある経験をさせてくれるだろうか。
・企業が自らの目的と使命を十分に考え抜くことは、まずない。このことが、企業の挫折と失敗を招く、最も重大な原因の一つなのだろう。(ドラッカー)
■④本書の目次
序講
第1部 幸せなキャリアを歩む
第2部 幸せな関係を築く
第3部 罪人にならない