マネーの公理(マックス・ギュンター)
サブタイトル:スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール
■もくじ
①対象読者
②本書の書評
③本書の目次
■①対象読者
・これから投資を始める人(お金持ちになりたい人)
・すでに投資をしているが自分の投資手法に不安を抱えている人
・プロの投資家の考え方を学びたい人
■②本書の書評
本書は投資の古典本で、投資におけるリスクとマネジメントについて書かれており、私自身何度も読み返している本です。
本書の内容を一言で言うと、リスクをとらずにお金持ちにはなれないということです。
皆さんご存じのように、昨今の銀行預金の金利は0.001%です。あなたの大事な100万円を銀行に預けても1年後に得られる利子はたったの10円です。
もちろん銀行にお金を預けるメリットはあります。金庫としての役割です。大事なお金を手元に置いておくことが怖い場合は銀行に預けると安心しますよね。
ただし、大事なお金も金庫(銀行預金)に入れておくだけでは、今のインフレ時代には実質目減りするってご存じでしょうか。
詳しい説明は専門書にゆずるとして、端的に言うとインフレ下では物価が上がっていくため、相対的にお金の価値は下がります。
そのため、最低限インフレ率以上の利率でお金を増やさないとあなたのお金はどんどん減っていきます。
こういう時代だからこそ、投資について学び大事なお金を増やしていく必要があります。
私自身、株式投資歴は10年以上ありコロナショック等の数々の荒波に揉まれて辛い経験をたくさんしてきましたが、投資を続けてきて本当に良かったと思います。
投資によって得られるものはお金だけではなく、幅広い知識(経済、金融、地政学等)や感情のコントロール方法も副次的に備わるからです。
まだ投資を始めてないけど興味がある方は、まずは少額から投資を始めてみてお金持ちへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
投資について段々コツをつかんできたら徐々に投資金額を上げていき、資産増加にブーストをかけるために多少は心配するような金額を賭けるようにと著者は説いてます。
続いてマネジメントについてですが、私自身が常に意識しているのは本書に書いてある「常に早すぎるほど早く利食え」と「船が沈み始めたら祈るな。飛び込め」です。
「常に早すぎるほど早く利食え」とは、人間の欲を戒めた言葉です。
人は欲な生き物で、儲け始めるとどんどん強欲になっていきます。
私自身、持ち株の株価が急激に上がり始めた時はもっと上がるかもと期待し、急に勢いがなくなって下がり始めてもまた反発して上がるかもという淡い期待のもと大損を食らったことが過去に何度もあります。
投資格言で「魚の頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があるように、株価が上がっている最中に利益を確定するのは心苦しいですが、一旦冷静になって利益を確保しておくことは投資を長く続けていくうえでも大事な考え方だと思います。
続いて、「船が沈み始めたら祈るな。飛び込め」とは、要するに株価が下がり始めたら早い段階で損切りしなさいということです。
小さな損失を出すことで、自らを大きな損失から守ることはこれもまた投資をするうえで大事な考え方になります。
上に記した2つの考えをいざ実践しようとした場合、恐らく躊躇すると思いますので、投資のマイルールを持っておくことをおすすめします。
私のマイルールは以下です。
利益確定ルール
・持ち株の株価が2倍になった時点でまず半分を売ります。そこから、+20%ごとに残りの持ち株を分割して売却
・株価が最高値から-10%下がった時点で売却
損失確定ルール
・買値の-10%に損切りラインを設定
上記のように投資ルールを設定することで、株価が急に下がってきても-10%で損失を抑えることができます。
株式投資では最悪の場合、株価が買値の1/3になることもあるため、機械的な投資ルールを設定して自分の身を自分で守ることが最も大事です。
ご参考までに、伝説のファンドマネージャーであるジョージソロスの名言を引用します。「生き残れ。儲けるのはそれからだ」
本書には他にも個人投資家にとっては興味深い内容が書いてあるので、是非とも手に取って読んでいただきたい一冊です。
最後に、2024年からNISA枠が拡充されて年間360万円の投資枠が非課税になります。今後、日本の株式市場が活況を呈していく可能性が高いので、まだ証券口座を持っていない方は口座を開設するところから始めてみてはいかがでしょうか。
■③本書の目次
はじめに 公理とは何か、どこからきたのか?
第1の公理 リスクについて
第2の公理 強欲について
第3の公理 希望について
第4の公理 予測について
第5の公理 パターンについて
第6の公理 機動力について
第7の公理 直観について
第8の公理 宗教とオカルトについて
第9の公理 楽観と悲観について
第10の公理 コンセンサスについて
第11の公理 執着について
第12の公理 計画について